数年前まで、子供の足音に対する階下からの苦情に、悩まされていました。
そして今、その悩みから解放され、平和な日々を送っています。
今回はマンション暮らしとなった我が家が、階下からの苦情に悩まされ、試行錯誤の末解決できた実話です。
- 子供の足音で、下の階の方に苦情を言われている
- 階下からの苦情に対しどの程度対策をしたのか知りたい
- 階下の住人からの手紙による苦情に、どう対応したか知りたい
- 子供がいるが、中古マンションの購入を検討している
- マンション階下からの苦情で苦しまないため、購入前に確認できる方法を知りたい
- 共働きで子育てして9年
- 平日フルタイム
- 中古マンション購入5年目
- 当時子供は0歳と4歳
騒音で苦しんでいる人もいますが、我が家はその苦情を言われて苦しんだ側です。
子供の歩く足音に苦情を言われたら、引っ越せと言われているのと同じだからです。
子供の足音に対する苦情で現在悩まれている方が、我が家の例で少しでも解決の糸口が見つかることを願っています。
購入したマンションの状況
- 500戸以上のファミリー向け大規模マンション
- 二重床構造でリフォームに制限が少ない
- 上の階からの物音はほとんど気にならない
マンション転居後、下の階からの苦情
数年前現在の中古マンションを購入しました。
内装のリフォームを行ったので、入居までには2カ月を要しました。
引っ越し作業を終えた当日、上下階と両隣のお宅へ、準備した菓子折りを持ってご挨拶に伺いました。
しかし下の階のご主人だけ、菓子折りの受け取りを拒否されたのです。
前の居住者さんの騒音で、少しもめたことがある。私は昼自宅で仕事をしているので、音に気を使ってほしい。
明らかに嫌な予感がしました。
帰りのエレベータの中で夫と顔を見合わせました。
心に引っかかるものはありましたが、引っ越しの疲れや子供たちの世話で忙しくする内、それは頭の隅に追いやられていきました。
しかしこれが、これから始まる騒音苦情の予告だったのです。
入居1か月後、玄関先で直接苦情
転居したのは上の子が4歳、下の子が0歳の時でした。
ちょうど育児休暇中で、上の子は転居の為に保育園を退園したので、ほとんどを自宅で過ごしていました。
ある日、当時の4歳長男はお気に入りのコンビカーに乗り、床の上を走らせて遊んでいました。
するとインターホンが鳴りました。
だれだろうと出ると下の階のご主人でした。
何か車を走らせるような音がして、どうしてもうるさいので、なんとか静かにしてもらえませんか。
苦情でした。
お詫びを言ってドアを閉め、コンビカーに乗るのはやめさせました。
この時私は、自分がマンションで生活をするということへの認識が甘かったなと反省しました。
以前は社宅の1階に住んでいたので、階下に気を使うことはなかったのです。
また二重床構造を過信していて、子供が走ったり床の上でコンビカーを走らせたりしても大丈夫だと思っていました。
コンビカーは禁止にして押し入れにしまうことにして、子供にも説明をしました。
夕方夫が帰ってきたので、苦情をがあった経緯を話し、はじめてだからお詫びに行ってもらいました。
コンビカーは禁止にしたし、重ねてお詫びにも行ったし、これで大丈夫かな。
とすっかり安心して、子供達と日々を過ごしていました。
再度直接苦情を言いに来た
それから1カ月が過ぎたころ、自宅で子供と過ごしていると、またインターホンがなりました。
玄関を開けるとまた下の階のご主人がいらっしゃいました。
子供の足音がうるさいので静かにしてもらえないか。
2度目の苦情でした。
丁重にお詫びを言って、子供に注意をしました。
これで、思っていた以上に響くものなんだと思い、本格的に対策をすることにしました。
まず、椅子にはカバーをつけ、椅子を引いたときに音が出ないようにしました。
そして廊下にはサイズを合わせて発注した、騒音防止用のカーペットを貼りました。
リビングには一番厚いジョイントマットを敷き詰めました。
リビングは床暖房が入っているので、本当はジョイントマットをすると床暖房の効果が半減します。
でも下の階の方が苦しんでいるならと、できる限り敷き詰めました。
苦情に対して我が家がした騒音対策
- リビングに全面マット
- 廊下には廊下のサイズにあった防音カーペットを敷き詰める
- 椅子の足にはカバーを付ける
- 子供に家の中を走らないように度々注意する
下の階の人から手紙が入っていた
これで大丈夫だと安心していた数か月後のある日、ポストに手紙が入っていました。
内容はだいたいこんな感じでした。
・過去に2度、騒音に対してお願いにあがったが、なくならず困っている
・特に夕方から21時までがうるさい
・ストレスで心臓が痛い
・今後一切、飛び跳ねたり走り回ったりさせないでくれ
・できなければ第三者に相談する
実際にはもっとおかしなことも書いてありましたが、割愛しています。
ここまでくると普通じゃないなという印象でした。
子供に走り回らないように注意していますが、今後一切走らないようにするなんてことは、私には約束できません。
夫と相談し、手紙で来たので手紙でお返事をすることにしました。
そこにはだいたいこのようなことを書きました。
・お詫び
・今までしてきた対策(廊下の遮音マット、リビングのマット、椅子足のカバー)
・子供には今まで以上に注意をする
・下の子は1歳なので、言葉が分からず、注意はするが従うのは難しい
・今後一切騒音を出さないようにすることは難しい
・共働きなので平日昼間は静かなはず
・18時~21時は帰宅し子供を寝かしつける時間なので、生活音はする
・我々も管理会社に対策がないか相談をする
もともとソファーもベットも置いていなかったので、そこから飛んだり跳ねたりということはしていません。
しかし子供は基本小走りで移動しますので、トイレに行くとき、出かける時、足がパタパタ言ってそれが振動しているのかなと思いました。
このころから私は音にとても神経質になり、子供が少しでも床に対して「バタッ」としたり、走ったりすると大きな声で注意するようになりました。
「下の階の人がまた怒るよ!嫌だなって思うよ!」
そしてマンションにさえ住んでいなければ、こんな窮屈な生活させなくて済んだのかなと思うようになりました。
管理室に手紙をもって相談に行く
どこに相談に行ったらよいか分からなかったので、とりあえず管理室に相談に行きました。
念のため手紙を持って相談に行くと、対応方法についてアドバイスいただきました。
・管理室では住人間のトラブルは対応できない
・マンションの管理組合の理事会へ相談すると良い
・この手紙の内容を見ると常識の範囲をこえているので、対策をしているのであれば、あまり気にしない方が良い
これ以上どう対策すれば良いのだろうと思いつめていたので、管理室の方にそう言っていただいて、少し安心ました。
また手紙でもはっきり意思を伝えたので、あまり気にしないようにし、今まで通り子供に家では走らないように注意しながら過ごすことにしました。
そしてこう考えるようにしたのです。
私達家族は引っ越してきたばかり。
これから子供が誰かに迷惑をかけることもあるかもしれない。
今まで以上にマンション内では、顔を合わせた方にご挨拶して、良識のある行動をとっていこう。
ファミリータイプのマンションです。
総戸数も500以上あり、子供がいる家庭の多いマンションです。
子供の教育上も大事なことなので、今まで以上にきちんとご挨拶をすることを意識して生活していくことにしました。
この行動が、私達家族に手を差し伸べてくれる人との出会いにつながることになります。
騒音に関する注意喚起の文書が掲示されるようになった
対策もし、手紙も書き、子供達にも注意し続け、あれから少しの間苦情はなくなりました。
しかしある時から掲示板とエレベーター内に、騒音に関する注意喚起の文書が掲示されるようになりました。
子供の走り回るような音や振動に関する苦情が来ております。
階下には思った以上に音が響くこともありますので、配慮をお願いします。
…
これウチかな…?
そしてこの頃から、騒音に関する注意喚起の文書がちょくちょくに貼られるようになりました。
注意喚起がの文書が掲示されたら、子供に重ねていい聞かせるという日々が始まりました。
下の階の人がどれだけ困っていて、どれだけ我が家に対し憎しみを持っているのかを考えるととても怖くなりました。
エレベーターで階下の人と一緒になったら、謝った方が良いのかな…
子供が一人で留守番するようになったら大丈夫かな。
子供に危害を加えられたらどうしよう。
しかしマンションのローン、仕事、2人の子供の保育園のことを考えると、転居することなど考えられませんでした。
マンション購入前に騒音トラブルがあったのを確認できたのか
これを読んでいる方は、このマンションの購入前に、何かしら確認ができなかったのかと考えるでしょう。
私達はこのマンションを購入するまで、かなりの数の物件を見ました。
内覧のでは、騒音について必ず居住者さん(売主)や不動産会社へ確認をしていました。
上の子が元気いっぱいタイプの男の子だったからです。
しかし騒音があるとか、近隣で苦情があるなどを話してくれた方は一人もいませんでした。
私たちが購入することに決めた今のマンションの前の居住者さん(売主)にも、子供が3人いらっしゃいました。
下の階の方から苦情が来たり、そのような話があったりしないか、ご主人にも奥様にも確認しています。
音がしたことはほとんどないし、苦情がきたこともない。
本当はずっとここに住みたいけれど、子供が3人だと狭くてね…
結局これは嘘だったわけです。
不動産会社も何も教えてくれませんでした。
私達は階下の方から何度か苦情を言われたことで、当然仲介した不動産会社へ問合せをしました。
(テレビCMもしているかなり大手の不動産会社です。)
こういった苦情を知っていたのかどうか、また対応策はないかどうかを知るためです。
回答は、
担当者へ確認しましたが、そういった騒音苦情のお話しはなかったようです。
ただ騒音問題は、よほどのことがない限り損害賠償を支払うケースはないので、気にしない方が良いとは思います。
売主は告知義務違反をしてマンションを私たちに売却しているので、実際には裁判も可能なのかもしれません。
調べてはいませんが…。
しかし既にリフォームも済ませており、裁判にかける費用と労力を考えると実行には移せませんでした。
きっとほとんどの方は、泣き寝入りでしょう。
不動産会社が本当は知っていたかどうかは、今となっては分かりませんし、知っていたと言うはずはありません。
今更、実際はどういう経緯でこれを黙って売却したのかを考えても仕方ありません。
不動産を売却したい立場の人が、マイナス要因の「階下からの苦情」について、自分から正直に話してくれるとも思えません。
買主がこういった物件にひっかからないために、できることを考えました。
騒音問題を抱えた不動産物件を見抜くには
- 内覧の時に、必ず毎回掲示板を見て、騒音問題についての注意喚起がないか確認する
- 不動産会社に、「事前告知義務違反になるような近隣問題はありませんか?」と質問する
- 購入したい部屋の下の階(できれば下の階の左右も)を訪ねて、話を聞く
正直言って、1と2では見抜けるとは思えません。
3ならばかなりの確率で確認ができます。
マンションエントランスのインターホン越しでも良いので、聞いてみるべきです。
「□□□号室への入居を考えているものなのですが、騒音とかでお困りだったりしますか?」
入居してからでは、手遅れです。
現在マンション(賃貸含む)を検討されている方は、ぜひ確認してください。
下の階からの苦情がエスカレート
騒音苦情の注意喚起の書類があちこちに
1年が過ぎたころから、この注意喚起の書類が頻繁になってきました。
さらには、エレベーター内の文書に蛍光マーカーがしてあったり、階のボタンを押す場所あたりに文書が移動されていたりすることが続きました。
明らかに、私達家族宛ての文書ではないかと思わざるを得ません。
警察を呼ばれる
そして夕食を食べていたある日、インターホンが鳴ったので出てみると警察の方でした。
近隣住民から子供の足音に関する苦情が来て、伺いました。
とのことでした。
下の住人の方ですかときいたのですが、それは教えられないとのことでした。
子供の年齢を確認され、
「この年じゃ仕方ないですよね…」
というようなお話をされ、帰っていきました。
警察を呼ばれるということ自体が、子供には効きました。
すごく悪いことをしたんだと思ったようでした。
でもここまでいくと、異常すぎます。
下の階からの苦情と子育ての板挟みが夫婦喧嘩に発展
夫は「うちの家族は悪くない!子供にも必要以上に怒るな!おかしいぞ!」
私は「下の住人はちょっとおかしい、これ以上相手の恨みを買うのは怖すぎる!子供になにかされたらどうするの!」
と喧嘩になりました。
夫のいうことはもっともです。
でも警察を呼ぶほど追い詰められている人に、これ以上刺激を与えたくないと私は思いました。
騒音苦情を解決したのは管理組合の理事会
結局私の神経が参っていましたし、子供達にも良い影響があるとも思えず、夫が管理会社へ問い合わせをし、理事会への相談も依頼しました。
すると、今までに掲示された騒音苦情の文書は、やはり下の階の方からのクレームで掲示していたということがわかりました。
そこで理事会の方に間に入ってもらい、話を聞いてもらうことにしました。
お会いしてみると、理事の方の一人は、私と娘が良くご挨拶をする方で、理事の方も私達家族を覚えていて下さいました。
その後、夫が理事の方々に真摯に話を聞いていただいたところ、直前に下の住人の方が先に相談されていたということが分かりました。
そしてその理事会役員の方が、その方へはっきり伝えたということでした。
理事会役員の方が伝えたというお話
- 今回の騒音は普通の家庭の生活音レベルであり、苦情を言えるレベルではない
- 訴えるというが、一般の人が心身に影響が出るレベルの騒音をどう証明するのか、やって見たらよい
他にもお話されたのかもしれませんが、私たちに教えてくれたのはこれだけでした。
すると階下の方も納得されたそうです。
自分は音に対して過敏に反応する症状に悩まされている。
家族は気にならない音でも自分は気になる。
ご自身でも過剰に反応している自覚があったということなのです。
でもこの件以降、一切苦情や手紙、騒音に対する掲示がされることがぱったりなくなしました。
マンションで騒音苦情を言う人
確かにうるさいと嫌です。
でもマンションで共同生活することを選んだ以上、よほどの騒音(真夜中の振動や、何かを激しく打ち付ける音、等)以外は、ある程度お互い様という気持ちで生活している方が多いでしょう。
でも中には、小さな音でも一切我慢できないという人が一定数いるかもしれません。
そういう人は一軒屋に住めば良いという問題でもないのです。
私たち家族が簡単に引っ越しできないと同じように、その方達も簡単には引っ越しできないのです。
私達もあとどれくらいこのマンションで生活するかは分かりません。
ですがマンションで暮らしている以上、いろいろな人と一緒に生活をしているんだということを、忘れないようにしたいです。
マンション 騒音苦情対策 まとめ
騒音苦情を言われ苦しんだ側として、私が大切だと思ったことをまとめます。
- 購入前であれば、騒音問題の有無を確認する
- マンション内では日ごろからご挨拶をする
- 苦情があった日時を記録し、手紙があれば保管しておく
- できる限りの遮音対策をする
- あまりにひどい場合には、管理会社、もしくは管理組合理事会に相談をする
私達家族は一時期全員の神経が参ってしまうほど、追い詰められました。
ですが現在は嘘みたいに平和な生活になりました。
まるで天国です。
しかし今でも子供が走ると必ず注意します。
以前ほどブチ切れたりはしませんが。
もしあのまま解決しなかったり、こじれた場合には、引っ越しも考えたかもしれません。
大規模マンションは、小学生の子供がいる共働き家庭にとって、とても便利な住まいです。
通学班のメンバーはたくさんますし、学校帰りに一人になることがありません。
この記事を書くにあたり、リサーチの為に騒音問題について調べてみましたが、現在ステイホームのおかげで、住宅の騒音問題が深刻化しているそうです。
マンションは気密性が高いため、外の音があまり聞こえず静かです。
その分中の音が響いて聞こえるのは事実だと思います。
好きな音楽をかけたり、窓を変えて気分転換するなど、マンションの生活を楽しむ余裕を持ちたいです。
さいごまで読んで頂きありがとうございました。