この本で紹介されている「モーニングページ」は、私の中に積み重なった思いを掘り返し、整理し、私の中に大きな変化を起こしました。
今回は、アーティストを目指していな私でも、大切な自分を取り戻す機会となったこの本の紹介をします。
※この記事は7分で読めます。
この本をおすすめしたい人
・やりたいことがみつからない人
・毎日仕事や育児に追われて自分を見失っている人
・何かはじめたいが、何から手を付けたらよいか分からない人
ずっとやりたかったことをやりなさい。
The Artist’s Way
ジュリア・キャメロン

日々仕事と育児に追われる中、ふとした思いが胸によぎる。
このまま歳をとっていって、ある時振り返ったら、私には何も残らないんじゃないだろうか。
そう思うと、人生に焦る気持ちがわいた。
立派なキャリアを持つ、キラキラした他のママをみかける度に、自分のキャリアと比べてしまう。
でも自分のやりたいことは見つからない。
そんな思いを抱いていた私が出会った本。
「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」

著者について
著者:ジュリア・キャメロン(Julia Cameron/1948.3.4/女性)
アメリカ出身の教育者、作家、映画製作者、脚本家。
30年以上にわたり、ハリウッド第一線で活躍し続けているアーティスト。
本書は、著者が「創造性回復のワークショップ」での数々の経験を基に書き起こされた「Artist’s Way」が翻訳されたもの。
「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」のすすめ
この本はワーク系の本ですが、実際にモーニングページやワークをやらなくても、読むだけで感じ入る部分はたくさんありますし、楽しめる内容になっています。
しかし、人は本を読んだだけでは変化は起きません。
読み終わってしばらくすれば、また元の人生・習慣に戻るだけです。
ただこの本を読めばきっと思うはずです。
モーニングページをやってみたいと。
人は誰でも創造的な生き生きとした人生を送ることができる。
本書より
これがこの本の大きなテーマです。
お金などの物質の豊かさは、決して満たされることがありません。
私はこの本を読んで、自分が今までずっと人や何かと比べることで、すべてを推し量っていたことに気が付きました。
この本を読み終えた後、モーニングページを3カ月続けてみました。
すると今まで忘れていたような過去の出来事が次から次へと出てきました。
結果、忘れていた自分を見つけてあげることができ、人と比べない自分を手に入れることができました。

そして今、このブログを書いています。
この本の読み方・進め方
第1週~第12週に分かれており、1週ごとに読み進めながら、求められる課題(ワーク)を行う構成になっています。
カリキュラム通りに進めると3カ月かかりますが、『序文』に、このようにあります。
まずはざっと読んでみることをお勧めする。
また、指定のエクササイズやワークは遊びであり、1日1時間もかからないが、もし時間がなければ半分だけやり、残りの半分は余裕ができたときにやればいい。
モーニングページとは
朝起きたら、ノートに向かい、心に浮かんでくることを書く
本書より
何を書いても良い
とにかく続けること
私の進め方
◇ モーニングページ 30分~
※ 本書には3ページとありますが、私はページではなく時間を30分としました。
理由は「実践」で後述します。
◇ 本書を読み進めながら、できる範囲でワークをやる 30分
「ずっとやりたかったことをやりなさい。」名言が私に教えてくれたこと
一部を本書より抜粋し、紹介していきます。
※簡潔にするため、文章の一部を省略している場合があります。
最初は誰でも未熟なのがあたりまえなのだ。
本文より
それなのに、自分の未熟な作品を、熟練したアーティストの傑作と比べたり、批判的な友人に見せたりするのは、自分の中の幼いアーティストを虐待するようなものだ。
私は人と比べることでしか自己を認識できないでいた。
人と比べて、自分を奮い立たせるつもりだったのかもしれない。
それは子育てでもそうだった。
自分の子供を他の子と比べて、安心したり焦ったりする。
また、同じことが自己肯定が未熟な子供にも容易に起きる。
例えば子供がお絵かきをした時、自分の思い描いていたように上手に描けないことで、怒り出したり投げ出したりする。
これは子供が何かと比べることによって、最初から完璧にできないことに絶望し、早々に挫折しているのだ。
ここで、何かと比べず個性を認めるという補助が必要なのだ。
自分を肯定する言葉を言ってみる。例えば「自分は創造的な才能に恵まれている」と。
そうすると、あなたの中の意地悪な検閲官が反論しないだろうか。
本文より
それは今までだれかに影響されてきた、否定的な思い込みなのだ。
私の意地悪な検閲官はこう言った。
「だったら、もうすでに成功しているでしょ。現実をみなよ。」
でも私はこう思いながら、ただ今までなにもせず、時間を使っていた。
ほとんどの人は、自分のやりたいことを断念することで、いい人間であろうとする。
その結果、自らの創造性から離れてしまうが、
「自分はいいことをしているのだ」という偽りの精神性を培っていく。偽りの自己はつねに忍耐強く、他人の欲求や要求に合わせようとするため、自らの欲求の満足を先延ばしにする。
本文より
結婚し、子育てをすることは、相手の欲求に合わせることの連続だった。
自分のことよりも、夫や子供のことを優先させなくてはならないと思っています。
それが当たり前だと押し付けられても。
さらには、自分には人の欲求に合わせられるという能力があるのだとさえ思っていた。
その内に、やりたいことがあってもあきらめる理由に、子育てをあげるようになった。
時間がないからどうせできないと。
その結果、その先に待っている空っぽの人生に焦るようになった。
完璧主義とは、自分を前進させることへの拒絶なのだ。
間違いを恐れてはいけない。間違いなどないのだ。
本文より
私は何かをやろうという時、その先にある完璧な成功をイメージすることによって、高い壁を築き上げていたことに気が付いた。
嫉妬はつねに恐怖を覆い隠す仮面である。
自分に合っていると思いながら、怖くて手を伸ばせないものを、他人がやすやすと手に入れていることへのいらだち。
本文より
私の嫉妬の対象は、私が今までやろうとしてできなかったことを、成功させている人たちであることに気が付いた。
やろうとしなかったのではない。やらなかっただけだった。
それぞれの人にはそれぞれの道がある。
本文より
自分にふさわしい道に踏み出せば、次に何をすべきか見えてくる。
私たちは信じることによって、信じることを学ぶのである。
ずっとやりたかったことを、やりなさい。【実践】

私が実践したモーニングページ
私は、2020年の2月からこの本を読み始めました。
1度目は一通り目を通し、2度目はモーニングページに取り組みながらワークをしつつ読み進めました。
モーニングページをやる時間は朝が良いと書いてあったので、実際にワークショップに参加された方の記事も参考にし、朝30分早く起きてやってみることにしました。
誰かに読まれる気がして書けない
この30分を取ることと自体、実行力がいるものです。
でも私はこの本に支えられ、出勤の時は会社で1人の時間をみつけて書き、自宅勤務の場合は早起きしてこのモーニングページを書き続けていくことにしました。
最初は何を書けばよいのか苦戦しました。
また書いている内に、私はなぜか、「誰かに読まれるかもしれない」という思いにとらわれました。
それは過去、誰かに日記を読まれた経験があったのかもしれません。もしくは自分が誰かの日記や手紙を読んだ記憶がそうさせたのかもしれません。
結局、シュレッダーにかけるつもりで書こうと決め、だんだんと気にせず書けるようになりました。
30分だと3ページ行かない
用意したノートはA5サイズの34行タイプにしましたが、まず30分で3ページ書けませんでした。
すらすらかけてもせいぜい2ページです。3ページ書こうとすると1時間近くかかります。つらつら綴るので、割と早く書いてます。
字も小さいので、これはきっと3ページ相当だろうと判断し、ページ数は気にせず、とにかく30分以上書くと決めました。
時々書くのが止まらず、時間が許せば1時間近く書いてしまうこともありました。
自分を塞いでた自分
毎日書いていくと、私を塞いでいた、私自身の批判精神がたくさん出てきました。
そうすると今度はこの批判精神がどこから来たものか記憶をたどることになり、今まで忘れていたような嫌な出来事を思い出すことになりました。
それは積もり積もって、私の中に嫌なわだかまりとして残っていたのですが、掘り返して記憶をたどっていくと、この批判は辛い目に合わないように自分を守るためだったのがきっかけだったことを突き止めました。
またこの防衛癖が、私に本心をさらけ出すことを、拒絶させていただことも分かりました。
私はワークとモーニングページにしたがって、自分の心を大切にすることにしました。
まずは、わざわざ批判精神の多い夫に、自分の今やっていること、好み、考えていることをしばらくは決して話さないことに決めました。
もちろんこのモーニングページのことも話していません。
私は今まで、両親や夫にひどいことを言われ続けていたわけではありません。
ただ自分の好みよりも、相手の好みを優先する、相手の好みが自分の好みとなるように考えていた自分に気が付いたのです。
夫のことで言えば、相手の口に合うようにメニューを考えたり、家具や家電を買ったりという積み重ねです。
さらには、好きな映画や音楽さえも、相手に「好きじゃない」とか「面白くない」とか言われると、なんだか自分を否定されたような気分になって、自分の好みに素直になれなくなっていたのです。
私の態度の変化
そのことに気がついた私は、今度はそれに反発するように、今まで敬遠していた好きな音楽やアート・映画を、素直に見るようになり、自分が好きなものを自分で認めてあげようという気持ちが出てきました。
この期間、私は夫に相当違和感のある態度をしていたと思います。
大事な私の子供の心を、敵から守るような気持でしたから、、
夫は日々自分のことで精いっぱいなので、私の変化に気が付いたようには思えませんでした。
ただ、今までの好みにすり寄ってくれる妻から、自分で選択する妻になった私をそのまま受け入れただけでした。
恐らく、長女でしっかりものの私は、よき妻、よき母を実現する方法として、相手の希望に合わせるという手段を、取っていたのだと思います。
子供たちへ
その後私の足枷は取れ、自分を取り戻し、私は自分の人生を進める勇気を持ちました。
また私は、今まで知らずに傷つけてしまっていたかもしれない自分の子供の創造的な心や、自由な発想について考えました。
そして180度考えを改めました。
私は、子供に思いを伝えて、謝りました。
「今まで、傷つけるようなこと言っていたら、ごめんね。
君らしくしてくれている時が、ママは一番幸せだよ。」
過ぎてしまったことは変わらないけれど、新たな出発がしたかったのです。
さいごに
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
この本は、人々が比べるということを辞め、それぞれ創造的で豊かな人生がおくれる時代を迎えるための、とっておきの本です。